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吉例 大須師走歌舞伎 スーパー一座公演 [開催のお知らせ]

    桜姫 松ノ白波

   

公演期間:平成19年11月30日(金)~12月24日(振休)

会場:大須演芸場(名古屋市中区大須2丁目19-39)
最寄駅:大須観音駅(名古屋市営地下鉄鶴舞線)
     上前津駅(鶴舞線/名城線)

料金:前売3,800円/当日4,000円
   (1階イス席/2階座布団席とも)

申込/問合:スーパー一座 052-262-5955


    【今年も師走歌舞伎の季節がやってきました】

●たった一夜の男が忘れられずに彫った入墨が釣鐘の桜姫

●相手の男は父の的の釣鐘権介、又の名前は忍ぶの惣太

●不義の汚名をこうむりながらも桜姫に恋ひ狂う高僧清玄の怨念

●清玄を毒殺する弟子の残月と長浦のおかしな夫婦

●女と見まがう怪盗霧太郎の妖しい美しさ

●古来からの隅田川伝説をテーマに、南北のリアリズムと、
 黙阿弥の奇想天外な退廃美が合体した世話物の超大作

                    公式HP紹介文より引用
最新公演案内はコチラ(上演スケジュールあり) 


普段は落語・ものまね・マジック・歌謡ショーなぞの行なわれている名古屋唯一の寄席小屋である大須演芸場。
毎年7月と12月はスーパー一座への貸し小屋となり、それぞれ夏はオペレッタ冬は歌舞伎が上演される。


オペラ、歌舞伎とも今ではハイソでセレブな観劇コースだが成立時には大衆の娯楽だった。
スーパー一座は、オペラは昔なつかしい浅草の軽演劇、歌舞伎は常打ち小屋を持たず河原や空き地の仮小屋で上演していた頃の匂いを蘇えらせん、敷居の高くなった芝居を庶民の手に取り戻さんと毎回あの手この手の趣向で客席を楽しませてくれる。

夏のオペレッタの華やかさも然ることながら師走歌舞伎の迫力はコレを見なければ年を越せないと他県からも新幹線で観客がやってくるほどの人気だ。

歌舞伎公演の為に設えられた花道を効果的に使うケレン味たっぷりな演出で、あの手狭な大須演芸場で宙乗りまで見せるのだから恐れ入る。

歌舞伎は本来役者の芸をこそ見せるもの。芝居の筋は舞台上の彼らを引き立てるための小道具だった。西洋文化が流入されて以降の論理的な展開を是とする観点からするとある種の歌舞伎の筋立ては荒唐無稽なご都合主義に過ぎない。

物語の展開ということでなくても有名な<>の衣裳なぞ現実的でも実用的でもない、ただただ役者を大きく美々しく見せるための装置だ。

物語の粗筋だけを追えば確かにツッコミどころ満載といった話でも、それを肉体を持った役者が演じることによって論理ではなく納得させてしまう…そこまでいかなくても理屈なんてどうでもいいと思わせてしまう、それが役者の、舞台の、歌舞伎の醍醐味なのだ。

今作<桜姫松ノ白波>は鶴屋南北原作からの翻案だが、その原作<桜姫東文章>にしてからが歴とした一国の姫君が自らを手篭めにした男が忘れられず、その男の腕にあると同じ彫り物をして男を追い果ては女郎にまで身を堕とすという恋の物語。
そこに前世の因縁やら仇討やら政治的陰謀やら盛り沢山な伏線が絡み合い縺れ合いながらもデウスエキスマキナ的大団円を迎えるという実に歌舞伎的な話。

大体やんごとない姫君と娼婦というのは対極にありながらも男たちのロマンを駆り立てる存在。
それを1人の役者が美しく演じる…というより美しい役者の演じる高貴で清らかな姿と下賤の身の上に堕ちた淫らな様子の両方を観客に一度に見せてやろうというサービス精神に満ち満ちた作品が<桜姫東文章>なのだ。

さらに云えば桜姫は前世において稚児美童であり“本来男性である女形役者が男装して美少年を演じる”場面もあるという二重にも三重のも倒錯した設定が妖しさを弥増すばかり。
(元々女性である宝塚の男役が男装の麗人オスカル・フランソワを演じ作中でさらに女性の衣裳で踊る場面くらいヤヤコシイ!)
なにしろ濡れ場があまりに扇情的なため上演禁止の期間が長かったというような作品でもある。

ロック歌舞伎の異名をとるスーパー一座が文化14年(1817年)に書かれた芝居を約200年後の大須でどのように蘇えらせるのか楽しみでならない。


さて<桜姫東文章>の梗概を上に書いてみたが実は本編を歌舞伎の舞台で見た経験はない。まして南北の原作においてをや(同じ作者の<四谷怪談>なら授業で講読したが)
自らの知識は木原敏江氏漫画化の<花の名の姫君>から(笑)
でもとても面白かった桜姫はモノ凄くキュートだ。
スーパー歌舞伎は12/8夜公演のチケットを購入済み。
どんな桜姫が見られるのか今からワクワクと待ち遠しい。

花の名の姫君 (秋田文庫)

花の名の姫君 (秋田文庫)

  • 作者: 木原 敏江
  • 出版社/メーカー: 秋田書店
  • 発売日: 1997/07
  • メディア: 文庫
花の名の姫君

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  • 作者: 木原 敏江
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1991/06
  • メディア: 新書


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コメント 3

出人

ふむ。
迷っていたがこうして読むと行きたくなりますね~。
by 出人 (2007-12-06 11:40) 

おきざりスゥ。

♪出人サンこんにちは[チョキ]
まだ観ていないので物語の内容は<桜姫~>のことだけ紹介しましたが南北の作品を幾つか混ぜ合わせてあるようなことを高僧清玄役の原智彦サンから伺いました(大須大道町人祭の時たまたま道で行き合っての立ち話)
さらに奇想天外な話になっているのでは~[目玉]

ここの芝居はアルコールも含めて飲食物持込[OK]
観客席も親しげな雰囲気に満ちて和やかな感じです[ラブハート]
観劇とは別に千秋楽に恒例の芝居の跳ねた演芸場の客席から出入り口に面した道にまで役者観客入り乱れての打上げにも差し入れもって潜り込もうと画策中~[ラブラブハート]
by おきざりスゥ。 (2007-12-06 12:16) 

おきざりスゥ。

薔薇少女サンnice!ありがとうございました[ニコニコ]
by おきざりスゥ。 (2007-12-09 23:49) 

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